2016年12月26日月曜日

ノルウェー大学院(理系)一学期目を振り返って【ノルウェー留学】










お久しぶりです。
ブログを全く更新せずに1学期が終わってしまいました。
期末試験がやっと終わり、東京に戻って実家でゆっくりしています。

今年の夏からノルウェーの大学Nord UniversityのMaster of Biology and Aquacultureに入学したわけですが、元々学部時代の専攻が異なっていたこともあり、授業についていけるか不安でした。この大学に以前交換留学していた時は、英語でのレポートもほとんどグループワークでやっていたので、正しい書き方が記憶にない・・・というのが正直なところで、恥ずかしい話そんなところからスタートした一学期目でした。


予想以上に少人数のクラス

私と同じ時期に修士課程を開始したクラスメートは22人です。Master of Biology and Aquacultureは、2学期目から研究内容によってAquaculture、Marine ecology、Genomicsの3つの学科に分かれます。
Nord大学への出願時は修論の希望研究内容を提出しなくて良いので、入学して一年間は授業を受けて、ラスト1年で修士論文の研究だとてっきり思っていましたが、実際は入学してからすぐに参加するプロジェクトを決めなくてはなりません。どのプロジェクトに参加できるかはほとんど早い者勝ちです。興味のある研究内容を見つけたら、そのプロジェクトの指導教官に直接話しに行き、研究内容を話し合います。最終的には、契約書にサインをもらい、12月1日までに論文計画書を提出するといった形です。研究が決まり次第、プロジェクトを開始する人もいますし、1年後に始める人もいます。

ざっと見た感じ、クラスメートはAquacultureに進む人が多数でした。ノルウェーは養殖業が盛んなことを考えれば、養殖の学位を持っている方が就職に有利ですし頷けます。ただ、Genomicsに行く人は誰もいない?とか?そんな話も聞きました。
ちなみに一つ上の代はMasterが入学時と比べて半分、10人以下しかいないようで、結構驚いています。

学部生は国際色が豊かな印象がありましたが、Master degreeは交換留学生がいないこともあって、ノルウェー人率がかなり高くなりました。
交換留学時、ノルウェー人のシャイな人柄もありなかなか彼らと交流できなかったので、新しい環境に身を置くことができ嬉しい限りです。
クラスメートの国籍を挙げると、ネパール(2人)、スリランカ、フィンランド、スペイン、イギリス、ナイジェリア、エリトリア、とノルウェー人。日本人は私だけ。前年度までは途上国の人に対しての奨学金があり、中国やロシアからの留学生が毎年いる印象でしたが今年から奨学金制度がほとんどなくなったようで、クラスメートは外国人でもノルウェーに数年住んでいる人がほとんどです。
年齢は20〜30代で、男性は子供を持つ人も何人かいます。男女平等社会のノルウェーは男性でも子育てをするのが当たり前。「極夜のせいで、朝起きれないんだよ〜。」とぼやけば、「子供を作れば、毎晩子どもたちに起こしてもらえるよ。朝は子供がうるさくて寝てられないからね。」とクラスメートからお父さん発言が聞けたりします。


Nord University のマスターコース


Masterは卒業までに120ECTS creditの履修が必須条件です。研究論文は、60ECTSか30ECTS creditかで選択可能。1クラス5~10ECTS credit(大半は10)なので、一学期につき3コースほど履修します。評価は以下の通り。アメリカと比べて少し厳しいみたいです。調べてみると、日本の評価のレベルとアメリカは同じでしたが、感覚的にはノルウェーのCくらい取れれば、日本では優なのでは…?と個人的には思います。ノルウェーでは、みんなの感覚としてCはいいネって感じです。


Norwegian GradeGrade DescriptionUS Grade
AExcellentA
BVery GoodB+
CGoodB
DSatisfactoryC+
ESufficientC
FFailF

http://www.classbase.com/countries/Norway/Grading-System


1学期目はAquaculture ecology、Scientific communication and reasearch methods、Fish physiologyを受講しました。

Aquaculture Ecology




必修のコース。養殖の種類と仕組み、養殖栄養学、養殖業が環境へ与える影響など養殖全般について幅広く学びます。
教授が毎回この授業のためにベルゲンからくボードーまで来る方だったので、一ヶ月に1回ほど集中講義が行われました。1週間毎日4時間から7時間という長時間の講義。日本の大学の講義ならうつ伏せで寝ている生徒が想像できますが、ノルウェーの大学の講義では基本的に誰も寝ません。朝8時から16時までの長い講義は疲れますが、所々10~15分間の休憩とグループディスカッションがあるのでメリハリ良く参加できます。
グループディスカッションのテーマは正確な答えがないようなものが多いです。例えば、養殖業のサステイナビリティーをどのように測れば良いか、またどのようなインディケーターを使うことが可能かといったような問いです。20分間くらいグループで話し合ってまとめて前で発表します。大体、授業中出される問いは授業で触れたことのない質問なのですが、みんなそれぞれ学部時代からの知識を絞り出し考えたりして、様々な意見が交わされます。最初は慣れませんでしたが、回数を経ていくうちに割りと話すことができるようになりました。ノルウェー人は控えめな性格の人が多いので、黙っていれば、「どう思う?」など気を利かせて声を掛けてくれます。


評価の構成


ノルウェーでは最終試験だけでなく、Compound evaluationが一般的です。
Aquaculture ecologyの評価法は、40%がプレゼンテーションで、60%がHome exam。Home examはレポート試験のようなもので、問題が4問出され、2日間で10枚書いて提出するといった形です。ネットを使っても専門書、論文を読んでもいいわけですが、その分論理的に説明する力が求められます。「評価は厳しくて毎年Aの人はほとんどいないんだよ、ハッハッハッ」と教授は笑っておられました。ちなみにプレゼンテーションの評価は20人中2人だけA。私はBでしたが、最終評価はほとんどHome examで決まるので、結果がどきどきです。



Scientific Communication and Research Methods



こちらも必修のコース。R言語を使った統計学と、研究方法や研究倫理について学びます。
日本の学部時代は一応理系だったのですが、なぜ統計学をしっかりやらないで済んだのか、本当に謎です。有意差があるかないか調べないでどのようにレポートが書けたのだろうか…。研究のデザインの仕方だったりグラフの作り方、こういう基本的で重要なことを大学の時に教えて頂きたかった…。

評価の構成


30%は宿題。R言語を使った統計解析の宿題が全部で3回出されました。大体1回10ページほどのレポート。Rstudioでグラフを作ったり有意差のテストをしたりします。評価は厳しくて、全部正解でもAはなかなかもらえません。最初のレポートの評価をもらった時、コメントが「very good」でBだったので教授に理由を聞きに行ったら「誰にもAは与えたくないからです」と言われました。理由になってるのかよくわかりません(笑)結局Aをもらった人は22人中1人でした。
必修のプレゼンテーションもありました。グレードは与えられませんが、受けなければ落第です。11月の始め頃に修士論文の内容についてプレゼンをしました。つまりこの時期には、自ら指導教官を見つけ、研究内容をある程度構成しておかなければなりません。人によっては、まだちゃんと研究のデザインを決めていない人もいましたが、質問もされますし、プレゼンでしっかり話せないと恥ずかしいです。
残りの70%はHome exam。2016年に投稿された論文”Estimating the temporal overlap between post-smolt migration of Atlantic salmon and salmon lice infection pressure from fish farms"の要約とhypothesis, experimental design, experimental execution, statistical analysis, and interpretationを軸にした査読です。
枚数制限などは特になし。3日間以内に提出です。私の場合、試験中に修士論文に関してのミーティングを指導教官と行わければならず(泣)貴重な試験時間が削られてしまいました…。
試験に出されるだけあって、この論文はなかなかひどい内容で、初日は論文を理解するだけで苦しみました。合計11枚書いて提出しましたが、周りの友達も大体10枚くらい書いて提出したようです。
授業で査読に関して説明はあったものの、練習して評価をもらう機会は一度もなかったので、試験が一発勝負です。実力が問われます。



Fish Physiology(水族生理学)




この授業は学部生の授業です。Masterの人は、Marine ecologyの研究に取り組むならEvolutionary genetics、Aquacultureの研究ならFish physiologyを履修するように言われたので、こちらの授業を履修することに。授業は毎週2回2時間ずつ。常にレポートかmultiple choiceが待ち構えている状態なので、勉強のペースを保つことができます。逆に言えば、大変です。
教授は、元々熊の研究をしていた人で、それから魚の研究に移ったそうです。動物好きでかなり熱心な方なので、授業は彼が以前従事した研究の話なども交えて楽しく話してくれます。内容は、魚類の神経系や感覚系、呼吸循環から内分泌系や浸透圧調整、回遊行動、摂餌などについて学びます。

評価の構成


実験+レポートが3回と2回のmultiple choiceが評価の40%に値します。残りの60%は4時間のWritten examです。実験は、サーモンを使って、麻酔、浸透圧調整、ストレスについての実験を行いました。レポートは一度評価をもらい、1週間以内に訂正して再評価されたものが、最終評価になります。私の場合は、英語でしっかり実験レポートを書くのがほぼ初めてでびびっていたので、かなり時間を掛けて3回とも10枚ほど書きましたが、それぞれ一発でAをもらうことができました。参考文献は約25報ほど。ちゃんと時間をかけて書けば、ある程度の評価はもらえると思います。間違っていれば、レポートを添削したフィードバックがもらえるので、改善すべき点がわかって勉強になります。Written examは、授業で取り扱ったものすべてが範囲です。試験時間は4時間で、問いはオープンクエッション方式です。範囲は広いものの、難易度はそこまで高くないと思います。


まとめ


一学期目は、忙しくてあっという間に終わってしまいました。平日も土日も勉強漬けの4ヶ月間でしたが、その分、英語での論文の書き方や、勉強法などが身になったと思います。まだまだ未熟ですが、いいスタートが切れてよかったです。1月からは毎日指導教官と一緒に実験+他のコースの受講という形になります。さらに忙しくなるかもしれませんが、研究に取り掛かることができるのでワクワクしています。クラスメートも同じ状況下で協力し合いながら勉強できるので嬉しい限りです。

ノルウェーの大学院進学を考えている方の参考になればと思い、授業内容を書いてみました。Nord Universityの雰囲気が伝われば幸いです。



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About the Author

Hirono Suzuki

Author & Editor

1992年東京生まれ。東京海洋大学海洋科学部卒業。大学1年生の春休みでのベトナム一人旅でアジアの魅力に魅せられ、それ以降東南アジアを中心に旅するようになる。フィリピン短期留学を2回、IELTS 受験を経て、大学3年でノルウェーへ一年交換留学。2016年8月からノルウェーの大学院にて修士課程Biosciences and Aquaculture専攻。研究テーマは微細藻類。環境や食について考えながら、日々過ごしています。世界27カ国訪問、一人旅派。2017年は読書の年📖👓

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